些細なことを子どもは喜び、覚えている。

9月のある日。

幼稚園帰りの長男が公園に行きたいと言い出した。

預かり保育の後だったので、時間はもう17時。

まだ明るいけれど、18時すぎには日も暮れるだろうし、天気もなんだか怪しい。

気は進まなかったけど、幼稚園で1日頑張った長男の希望を叶えてあげたいと思った。

「10分だけ」という約束で、行くことにした。まぁ、きっちり10分で帰れることはないだろうけど、遊び始めて10分後に声を掛けたら、帰り渋りつつも20分後には帰れるのではないかと踏んで。

 

17時15分に弟を保育園でピックアップして、そのまま近くの公園へ。

引っ越しする前によく遊んでいた公園だ。

割と広い公園。

その日は年長さんくらいの男の子とそのお父さんが自転車に乗る練習をしていた。

それから、小学生の友人同士だろうか?兄弟だろうか?男の子が二人、ボール遊びをしている。

こんな時間でも意外と人はいるもんだ。

 

息子たちは、公園に着くなり滑り台やシーソーで思い思いに遊んでいた。

シーソー。二人でシーソーに乗ったらいいのにって思うのだけど、”二人で乗ってみる?”って訊いたら”嫌”だと言う。

乗らずに(またがらずに)手でシーソーを動かすのが好きなのだよね。

でもそれって二人でやると手を挟む恐れがあるから、次男は滑り台のほうへ誘った。

母も一緒に滑ろうと誘われるので私も滑る。高所恐怖なので、足をガタガタ震わせながら。

それから、鉄棒。次男はぶらーんて両手でぶら下がる。

長男は口では前回りか逆上がりか何か技をするって言ってるけど、次男と同じようにぶら下がり状態。

少し手伝って棒の高さまで腰を持ち上げてあげたんだけど、両腕で自分の体重を支えることができないのか、一瞬たりとも腕をまっすぐに保つことができない。

それでも、挑戦しようとする気持ちがあることは母も嬉しい。頼もしく思う。

 

外遊びと言えば、ケガ。

小さなケガから学ぶ、って幼児期には大切だと思う。

でも長男スイの場合、いきなり大きなケガに繋がってしまう確率が高い。

体幹と全身の筋力が弱いことと、注意散漫な面からだろう。

歯が欠ける、頭を打つ、、、それはもうどうしても避けたい。(どちらも経験済み)

公園では、雲梯からの着地に耐えられず地面に顎を打つとか、傾斜の急な坂になっているところをへんしんバイク(ストライダーのようなもの)で進みそのまま倒れて地面に突っ込むとか。

なんかもう、本人は予期してないんだろうけど、母はそれわかってたよっていう激しさ。

それで学んでくれたらいいけどさ…代償が大きいよ。たいして学んでる様子ないし。

こんな様子なので私は長男スイの運動面に関しては過保護な母親にならざるを得ない。

「危ないよ!」「気を付けて!」の警告をいちいちしてくるうざい母親かもしれない。

まぁ、そんな警告は耳に届いていないかもれいないが…。

 

話がそれたけど、そうこうしているうちに10分たったので(一応3分前にも予告はしている)声をかけた。

すると長男が「まだブランコしてないよ!」となぜか半ギレで言ってきたので、「じゃあブランコ乗ったら帰ろうね」と言った。

このくらいは私も想定の範囲内だ。

 

ブランコ。次男はそれなりにブランコを自分で揺らすことができるんだけど、スイは全然。

座りこぎ、立ちこぎ、どちらも揺れないなぁ。

「足を、伸ばして・曲げて・伸ばして・曲げて…ってするんだよ」って言うと一応その通りにしているんだけど、なんせタイミングがブランコの揺れと全然合ってない。なんだこのぎこちなさは。。

そうこうしていると、スイの隣に小学生と思われる少年がやってきて隣のブランコに乗った。

「お兄ちゃんみたいにやるんだよ」とスイに見本を見せてくれている。

するとスイは「何歳?」「名前は?」などと少年を質問攻めに。

少年は「7歳だよ」等とスイの質問に答えてくれていた。

不思議なことに、スイは小学校低学年くらいの子と相性が良く、たまに公園などで仲良くなる。

その日もそれをきっかけに二人でボール投げをしたり、追いかけっこをして遊び始めた。

私は早く帰りたかったが、せっかく楽しそうに二人が遊んでいるのでしばらく見守ることにした。

それから10分ほど経っただろうか。だいぶ日も暮れてきたのでスイに「そろそろ帰ろう」と声をかけてみた。

が、完全無視。少年と二人でかなり盛り上がってる。

これは…少年が帰るまで帰れないパターンかもしれない。

諦めて次男リンと二人で公園内を散策し、再びスイのほうを見ると、あれ? 何か焦っている顔をしている。

少年と鬼ごっこをしている途中で突然スイが叫びだした。

何事かと思ったら、トイレに行きたくなったらしい。

いつもぎりぎりまで我慢してしまうと、最終的にこうなるんだよね。絶叫。。

スイの突然の叫びに少年は驚き、心配してくれている様子。

「ちょっと、トイレに行ってくるね!」と少年に伝え、スイを公園のトイレに連れて行った。

公園のトイレ…汚かったり、臭かったりするよね。

今どきの子は園やショッピングセンターの明るくてきれいなトイレに慣れているし、家のトイレだって洋式できれいに保たれている家庭が多いだろう。

スイもご多分に洩れず?、公園のトイレで用を足せない。

「おうちまで我慢できる?」「むりぃー!!」

そりゃそうだよね…家までここから15分はかかるし。

まぁでもとりあえず、家に向かうよりほかない。

今度は強引に二人を自転車に乗せ、少年に別れを告げた。

少年は心配そうにこちらを見ていたけど、私とスイがバイバイと手を振ると、振り返してくれた。

一緒に遊んでくれてありがとう!

 

公園を後にして、まだぐだぐだと後部座席で文句を言っているスイに少しイライラしながら自転車を走らせていると、ぽつり、ぽつりと大きめの雨粒が落ちてきた。

やばい! これは夕立? と思うや否や、10秒もたたないうちに土砂降りに。。

どこか雨宿りできる場所! と探すと、閉店した商店の前にビニールの屋根部分がある場所を見つけた。勝手にそこで少し雨宿りさせてもらった。

雨にさらされていたのはほんの20秒ほどのことだったと思うのだけど、激しい夕立だったので3人ともびしょ濡れになっていた。

寒いし、ショックだし、、激しくブルーな気持ちになった。どうしよう。

次男リンを見てみると、こわばった表情で寒そうに小さく震えている。

幸い保育園の着替えがあったのでそれに着替えさせた。

で、スイのほうを見てみると、、なんか楽しそう!

「雨降ってきたね~♪」って目をキラキラさせて、さっきまでの不機嫌と裏腹に嬉々としているではないか!

普段は服の袖がちょっと濡れただけで大騒ぎする人が!

なんかよくわからないけど、この時ばかりはスイの明るさに救われたと思う。

雨はいつ止むかわからないし、寒いし、日はもう完全に暮れてしまったし、私も途方に暮れていた。

夫に電話して、車で迎えに来てもらえないかと頼んだが、なかなか来ない。

そこで、子どもたちと自分を勇気づける意味で、明日の朝ごはんにと思って仕事帰りに買ってあったパンを3人で食べた。

10分くらい雨宿りしていると、雨はほとんど止んできた。

これなら帰れるかな~というところで、夫が仕事を早く切り上げて車で迎えに来てくれた。

濡れた服のまま自転車に乗って風に当たると子どもたちに風邪をひかせそうだったので、来てくれてよかった。

そこから夫が自転車で、私と子どもたちが車で家に帰った。夫よ、ありがとう。

帰ってすぐに子どもたちとお風呂に入って温まった。結局トイレは我慢できたのか。

 

長い一日だった。私にとっては言うまでもなくかなりショッキングな日となった。

 

それから、1週間ほどたったある日。

スイが「自転車でパン食べたよね!」と嬉しそうに話してきた。

あの日のことだ。

なんか、子どもって変なことを喜ぶんだなぁ~なんてその時思った。

私が子どもたちのために…と一生懸命お膳立てしたようなことよりも、案外こちらが予想だにしない些細な事柄や出来事を喜び、覚えているもんだなぁって。

喜びって作ることもできるけど、見つけることで出会えることもあるのかな。

 

 

昨日は、前回のリベンジでお月見しましたよ。

夫が買ってきたコンビニのお団子だけど。

家の窓からちょうどきれいなお月様が見えたので、月を見ながら食べました。

だいぶ雲がかかってたけど、それがかえって幻想的でした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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