親として周囲の人々へ伝えたほうがよいことは何か、考えた。

前回の記事の続きです。

6歳長男の社会性で困っていること。【自閉症スペクトラム】

久しぶりに暴走する長男を見て複雑な気持ちになり、

私はその場に居る人々に対して安易に長男の特性を語ろうとしてしまったのだけどうまく伝わらず、特性を伝えることの難しさを改めて痛感することとなりました。

あれから、長男や周囲の人にどういった対応をしていったらいいのかという事を考えました。

 

以前、歯医者で言われた言葉をきっかけに、こんな記事を書いたことがありますが、

子どもの”発達障害”を誰にどこまで伝えてる? 5歳になって変わってきた状況。

今回はもう少し掘り下げて自分の気持ちを書いてみます。

これまでの伝え方や、気の進まない方法

特性を伝える

医療や療育関係でない場で、これまで私がしてきた伝え方と、その時の周囲の人々の反応を書いてみます。

私が長男スイ(自閉症スペクトラム・ADHD)の特性を伝えるときに使ってきた言葉は以下のようなものです。

  • こだわりが強い
  • 落ち着きがない
  • 人との距離感がわからない
  • 情緒面で幼い部分がある

私はずっと、このような言葉で伝えてきました。

しかし、これで特性が伝わった、と感じたことはあまりありません。

 

理由を推測するに、この事はいわゆる定型発達のお子さんであっても、幼児期には多かれ少なかれあるからでしょうか。

幼稚園児達を見ていて私もそう感じますし、お母さん方もお子さんに対してこのようなことを感じておられる方は多いようで、よく話題に上ることでもあります。

次男もそう。こだわりはあるし落ち着きはないです。

 

でも、長男と比べたら雲泥の差なのですよね。

長男はこだわりが強すぎるし、落ち着きがなさすぎるし、…そういう事なんだろうと思う。だから診断なりがある訳で。

でも、365日ずっと一緒に過ごす訳でなない人が長男のほんの数時間だけを切り取って見たら、

その特性によって大きな困難を抱えている事までは想像できないよなぁと思います。

 

なのでこの伝え方をした時に返ってくる周囲からの反応は、

 

こだわりが強い・落ち着きがない

→「うちもそうだよ。」「男の子はそうだよね。」

 

人との距離感がわからない(近すぎる)

→「人懐っこくてかわいいよ。」

 「うちの〇〇なんて人見知りがひどいよ。」

 

情緒面で幼い部分がある

→「大丈夫だよ。」「男の子はね~。」「頭いいじゃん。」

 

というものが多いです。

「男の子は…」ってよく言われます。うちは女の子がいないからわからない部分でもありますが、、。

「頭いいじゃん」は、凸凹がある事が伝わらないんだなぁと思います。

 

他にも

「こだわりの強い子はもっとひどいから。普通だよ。」

「スイ君はしっかりしてるよ。うちの〇〇なんて小学生になれるのか本当に心配だわ。。年少からまたやり直させたいくらい。」

と言われたことも記憶に新しいです。

 

こちらが意を決して話しても、特性を話すだけでは世間話育児あるある話になり、

私の拙い話し方のせいもあるのでしょうが、

あれ? 伝えたかったこととだいぶ違う?

という話の流れになっていきます。

また、どうしても特性のネガティブな部分に触れる為、励ましで言ってくださってる部分もあるのだと思います。

私だって人から言われたら、その子の長所を探そうとするし、我が子なんてもっとですよ…って言っちゃいそう。

「そうだよね。〇〇くんて落ち着きがないよね。」とは言えないわな^^;

 

ただ、迷惑をかけて申し訳ないと思っているのとはまた別で、長男の特性についてはそこまでネガティブにはとらえてないのです。

落ち着きがないこともこだわりが強いことも、彼の長所と表裏一体であると思っているので、そこを否定したり励ましてもらいたいわけではないのです。

 

そんなふうに、どこか交わらないやりとりになり、言いたかった「特性」のことはあまり伝わらないのかなと感じます。

何のために言ったのか、、ただ長男をディスった感じゃないかこれは…と余計に落ち込んでしまいます。

なんか、、この伝え方はイマイチかも…と、私の経験からは感じました。

 

伝わらないなら言わなければよかった…と落ち込みつつも、励まされると元気になったフリをしなければと思ってしまう。。

相手にもエネルギーを使わせる上に、自分も疲れるという。。

 

診断名を伝える

ストレートに診断名を伝えたことは実はまだありません。(幼稚園の先生以外)

私の親なら「何それ(そもそも知らない)。」「そうは見えない。」「えー、違うんじゃない?」って言いそうです。

 

他にも想像できるのは、

びっくりされる。偏見を持たれる。誤診を疑われる。お母さんおおげさ。そんな診断つけられてかわいそう。

…です。あくまでこちらは想像ですが。

 

「診断」というのは非日常的な響きなので、普段の場面で口にしても馴染みが薄く受け入れられにくいのではないでしょうか。

びっくりさせるだけで終わりになりそう。

そして、診断は長男の一部分なのに、それがすべてだと思われてしまうかもしれない事も恐れています。そのくらいのインパクトがありませんか?「自閉症スペクトラム」って言葉は…。

 

こちらも、よい方法ではない気がするのです。

 

それに長男のプライバシーにかかわる気がして言えません。

夫は「親なんだからいいだろ。」と言いますが、スイの了承なく人に伝えるのは私はなぜだか気になってしまいます。

スイに伝える(告知)の方が先かな、と思います。いつになるか・何を伝えるかはわかりませんが…。

 

他のアプローチを考えてみた

そもそも、特性について正確に理解してもらおうと思うのは、いささか欲張りなのかもしれません。

そこで、別のアプローチを考えてみました。

  • 医療機関で相談を受けていることや、療育に通っていることを伝える
  • 「こんな時はこうしてくれると有り難い」というこちらの希望を伝える(あくまで希望)

療育に通っていると伝えれば、診断名はなくても、ある程度の困り感は伝わるのではないでしょうか。

また、自閉症スペクトラムです、とか、ADHDで…、とか診断名を言われても「よくわからない。」「だから何?」となると思うので、

それよりも、「こういうふうに接してくれたら有難い」とストレートに伝えたほうがいいかもしれないなと思いました。

 

そう思った理由は…

一番仲の良いママ友さんは、別にこちらからお願いしたわけではないですが、はっきり言ってくれるのです。

「おばちゃんはそういうの苦手だから。」とか「これは私の分だからスイ君にはあげられないよ。」とか。

何でもかんでも「いいよいいよ~」じゃない。

それがものすごく私は有り難いし、長男もパニックを起しにくいです。

私が相手の立場になって代弁しても長男には響かないことが多いのですが、相手から直接言ってもらうとすんなり納得できたりします。

まだ長男は

人が思っていること=人が話していること

と信じていて、時として例外がある事がわからないのです。

 

「いいよー」「大丈夫」って、受け入れてくれる人には、限度を知らずに甘えてしまうのが長男。

そうしてじわじわパニックの状態になっていき、こちら(母)の声もだんだんと届かなくなります。

もともと衝動性が高いからなのかもしれません。行動へのこだわりが強いからなのかもしれません。

でもこうなってしまうのは、やはり一種のパニックの状態なのだと思います。

普段の姿とはかなり違っています。

 

そんな時でも、私が本当に怒鳴るくらいの気迫で強く言えばやめますが、

長男の中ではずっと状況と母の言葉が一致していない状態で、納得できないまま強要される形になります。

それはとても辛い事です。

 

 

でも、あまり図々しく人にこうしてくれとはお願いもできませんし、

長男が落ち着いている時に話をすることも大事で、それで改善していく場合も沢山あります。基本的にはそちらを考えた方がいいと思ってます。

でも今回のような『友達の家』など、長男のテンションが上がりすぎてしまう場所では、適切な方法を知っていたとしても、長男自身が行動の制御をできなくなっているように感じられました。

 

年齢があがるにつれて増す孤独感

ここまで書いてきて、

で、結局、私は何がしたいわけ?

という自分自身への疑問が湧いて来ました。

幼稚園の先生ならともかく、ママ友や知り合いに特性の話してどうするの? と。

私は何にこだわってるの? と。

 

その場にいる人たちに長男の特性を理解してもらうことで、

長男の行動を大目に見て欲しいのだろうか?

育児大変だね、と労ってもらいたいのだろうか?

一緒にいても謝り倒さなくて済むようになりたいのだろうか?

 

もしかしたら私は、そこにいてもいいと思える息子であり自分でありたいと望んでいるのかもしれません。

多分それだけです。

他に何もしてもらわなくても、ただ理解してくれているだけでその場に居やすくなるんです。

それはとても大きいと感じます。

 

2~3歳の頃よりも、むしろ今の方が孤独を感じているかもしれません。

昔よりも友達や知り合いは増えたのに、孤独感は増すばかりです。

長男が友達のお母さんのほっぺにキスしようとした時、「ちゅーしないって約束したでしょ?」って長男に言ったら、背後に座ってる他のママ友さん達が笑ってて。

私は振り返れなかった。

ママ友さん達に悪気はなくて、単純に面白く思ってくれたのだと思います。

でも「やった、笑いをとれたぞ♪」とは思えなかった。

わかりあえない、と感じました。こんなことで悩んだことないんだろうなぁ…って。

まあ、私だって自分でもちょっと笑えます。私も長男もあほやなぁ…って。

でも、人から笑われたくはなかったな…ってくらいには、真剣に悩んでます。

だから、落ち込んでしまいました。

 

さいごに

特性の伝え方って難しい。

具体的に何を伝えたらいいのだろう?

そもそも、伝える目的は何?

という内容で考えてみました。

 

特に、長男の場合は、ぱっと見しっかりしているようにさえ見られます。(5分も一緒に居ればボロが出ますが^^;)

口が達者だし、他の子よりもむしろできることだってあります。

独特さや遅れが目立つのは、社会性や情緒的な部分。

だからこそ余計にちぐはぐな感じがして周囲からの理解を得ることが難しく(いつも一緒にいる親でも難しい)、長男が人から悪い印象を持たれてしまうことはとても悲しいです。

 

だからそんな時、親が何かを言う事はやはり必要なのかなと思います。

かといって、コミュニケーションの橋渡しや調整をするのは難しいです。

私が器用でないからというのもありますが、それを差し置いても難しいことなのだろうと思います。

そんな療育のプロもしくはバラエティ番組の司会みたいな事、できなくて当たり前、

迷惑をかけた相手に「ごめんね」と(相手が重く感じない程度に)謝ったり、親切にしてくれたらありがとうという気持ちを伝えたり、それができれば十分。

伝えることはシンプルでいい、と自分へのハードルも下げておきたいと思います。

2 Comments

tsunn

>迷惑をかけた相手に「ごめんね」と(相手が重く感じない程度に)謝ったり、親切にしてくれたらありがとうという気持ちを伝えたり、それができれば十分。

本当にそれが何より過不足なく、ベストな気がします!障害云々関係なしに、人間関係の基本ですよね〜。
最近、自閉症スペクトラムの子に娘が失礼なことを言われ、お母さんが何も言わなかったことにモヤっとしました。だけど、結局その場で私は笑ってしまいました。娘の気持ちも考えれば、笑わず、すかさず穏やかにフォローするべきだったかなぁと、ブログを拝見して考えてしまいました。きっとそのお母さんも子供の失言の多さに困ってるんでしょうしね。

本当に考えだすと何が正解か迷いますが(正解なんてないかもしれないし)、シンプルに迷惑をかけたらごめんなさい、何かしてもらったらありがとう、は実践していきたいです。

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mikanzuki

tsunnさん、こんにちは。
この記事を書いてて、‟息子に対して療育的な対応をしつつ他の方に対してもフォロー&場の空気を壊さない”っていう難しすぎることをやらなきゃと欲張りすぎてた自分に気づいたんですよね。私、そんなスーパー人間じゃなかった^^;
シンプルに「ごめんなさい」と「ありがとう」、それがベストだとtsunnさんに言ってもらえると本当に安心します。

私は、息子の行動にどうしたらよいかわからず固まってしまう時が多いので、多分、沢山の方をモヤモヤさせてきました。。
逆の立場でも、言いづらかったりして、笑ってしまう時があるので、なんだかその状況がとてもよくわかるような気がします。そしてそんな私のことを息子は見ているんだろうな~と思うと、後悔する時もあります。笑わないって、案外難しいですよね。
そうですね。正解なんてないかもしれないので、、自分なりの誠意をもって、実践していくってことかもしれませんね。
コメントありがとうございます!

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