前回の記事の続きです。
今回は検査を終えて、言語聴覚士さんからいただいたアドバイスのことを書きたいと思います。
自閉スペクトラム5歳息子が言語相談を受けた記録①検査編言語聴覚士さんからのお話(アドバイス)
検査を終えた後、いくつかSTさんより長男とのかかわりにおけるヒントになりそうなことを教えていただきました。
まず、私が長男の不適切な行動に対して言葉かけをしても、反応がちぐはぐというか、いまいち理解してもらえている気配がないことについて。
おそらくこの絵のような状態ではないかとSTさんは推測されていました。
一般的な理解
長男の場合(向かって右側の人物が長男の設定です)
話の内容を直接共有できなくても、過去の経験の中から似たようなものを引っ張り出し、理解しようとしているのではないかと。
好ましくない行動に対しては、
〜するのは◯
〜するのは×
という内容の絵カードを示しながら、一つ一つ行動についての言葉かけを行っていくことで、人との関係の中で適切に行動できるようになっていくだろうということでした。
絵が苦手なら棒人間でもいいので絵に描いてあげるとわかりやすいとか。
視覚的な手かりがあるとイメージしやすくなるということなんですね。
例えば人との距離が近すぎることについて、
といった具合ですかね。
(絵は誇張して描いたので距離感とか適当です)
好ましくない行動だけじゃなくて、良い行動もはっきりと示すことが大事なんですね。
この時、本人の効き目側を〇の絵にするのもポイントだとか。
好ましくない言葉を悪気なく使ってしまうことに関しては
「ふわふわことば」と「ちくちくこどば」の表を作るのが有効なのではと聞いたので、
早速、長男と一緒に考えながら
色画用紙に単語を書いた付箋を貼っていっています。
しかし、長男が思いついた最初の「ちくちくことば」が『ばくはつ(爆発)』っていう、ひとつの物理現象の話になっていて、早速何と言っていいかわからなくなる母。まぁでも、、それもちくちくことばなのか。
その後は、『かっこわるい』と書いてました。
↑これ便利。
主客転倒についてもやはり人間関係の把握が難しいことが関係しているだろうけれど、言い直しはさせず、あくまでも「うんうん」と受け止めた上で、さりげなく正しい言い方で親が話すのがいいのではないかとおっしゃっていました。
たとえば
長男「おうちに遊びに行ってほしいな。」(←本来は「遊びに来てほしいな」)
親「そうだね。遊びに来てくれたら嬉しいね。」
というふうに。
それから、
でこぼこした歩きにくい道を歩く、
少し高いところから飛び降りる、
鉄棒にぶら下がる、
重たいものを引っ張ったり押したりする、
お手伝いで重ための買い物袋を持つ、
軽くて大きいものを運ぶ、
などの運動を通して体の使い方が上手になるよう促すこともよいとか。
体と、言葉やコミュニケーションて関係なさそうだけど、体ってすべての能力を支える幹のようなものなんだよね。
実は上記のようなことは、長男は割と普段から積極的にやっていることではあります。
重ための買い物袋も「重たいよ、これ!」とか言いながらすすんで持ってくれたりする。米袋とか(笑)
逆に、こんな重たいもの持たせて大丈夫なんかな? 体に負担かかってない? と心配になり「無理しないでね。」と声をかけていたのだけど、これからは大いに感謝して任せてみようかと思います。
しかしそういった日々のことを思い起こすにつけ、長男は生まれつきの不器用さはあるものの、自分がどうしたら生きやすくなるのかということを自分自身で知っているのではないかと感じ、頼もしく思う次第であります。
言語相談を終えて
まず、担当してくださった言語聴覚士さんが本当に優しい方で。
検査中は、ちょっと厳しい感じの人なのかな? どうなんだろう…? とドキドキしていたのですが、検査後はとても柔らかい雰囲気に。
私のたどたどしい質問にも親身に答えてくださいましたし、同じような事を何度も尋ねてしまってもその度に丁寧にお話ししてくださった。
私は会話が本当に苦手なので、こういった相談場面ではまず何を話したらいいのかわからなくなってしまうし、急に頭が真っ白になってフリーズしてしまったりするのですが、
キーワードを紙に手書きしてくださったり、図(絵)を描いてとてもわかりやすく説明してくださいました。
それから、スイのことを面白いとか大好きと言ってくださって。
ただただ嬉しかったです。
心理士さんでもSTさんでも、やはり長男のことを肯定的に見てくれる人の存在って、素直に嬉しいんです。
こちらも安心して相談することができます。
STさんもおっしゃっていたのですが、小学校の担任の先生も面白く(と言ったら語弊があるかもしれませんが)長男のことを受け止めてくださる方だったらいいなぁと思いました。
あることに対して同じように注意したり叱ったりする場面で、もちろん厳しくは言っても
ベースに「この子困った子だなぁ」があるのと「この子面白い子だなぁ」があるのでは、親も子も受け止め方が全く変わってくると思うんです。
前者のように否定的な印象を持って接していると、子どもはそれを察知して初めから耳を貸してくれなかったりする。
特に、特性のある子はそのあたりの相手の考えていることに対してものすごい敏感さを持っているので。
相手の気持ちを察するのが苦手なはずだけど…、メタ認知うんぬんの理屈じゃなくて敏感だから直観的にわかってしまう部分てある。
褒められる時だって”相手はわたし(ぼく)をコントロールしようとして褒めてるんだな…”というのがバレバレなのはお約束で。
逆に心からの称賛はエネルギーになるけれど。
ベテランとか若いとか専門知識があるとかないとか関係なく、どうか長男のことを少しでも面白がってくれる担任の先生になればいいな。
(まあでも、、どの学校にも1人や2人はいる、ただ怒鳴り散らすだけだったり、自分の考えや感覚が絶対で子どもにもそれを押しつけてくるような、よほどな先生じゃなければ長男は大丈夫だろうと最近は思う。)
ちょっと話が脱線しかかってしまいましたが、私も
あなたはこんなに面白い
もっともっと素敵な人になれるように頑張っていこう
という気持ちで、これからも長男と向かい合っていきたなと思いました。
*
検査室を出た後、長男が廊下の天井を見上げて「この天井は役立たずの穀つぶしだね。」ってアニメで覚えたセリフをそのまま呟いてSTさんが「?」ってなってたんだけど、
私が言ってた訳じゃないですよ(;´Д`)アニメのセリフで…。ってフォローしといたほうがよかったかな!? 要らぬ誤解を与えなかったか?? 私、そういう事言うキャラじゃないですからね!?
そういう時、とっさに何と言っていいかわからず固まってしまう私です。。
ちくちくことばに「役立たず」と「穀つぶし」を加えておきたいと思います。