長男の発達障害に気づいたきっかけは、ハイパーレクシア。【自閉症スペクトラム】

私が長男の発達障害、とりわけ自閉スペクトラム症(ASD)を疑い始めたきっかけは、こだわり行動と多動、人見知りのなさ、運動の不安定さ等だったのですが、

その疑いを確信に変えさせたのは、息子の『ハイパーレクシア』の特性であったと思います。

 

ディスレクシア(読字障害)の反対のハイパーレクシア(過読症)は、その名の通り「文字を読み過ぎる」という特性を持っています。

私はたまたま学生時代の卒業論文(←といってもこの頃は体調が悪すぎて記憶があまりない)が「視知覚認知」に関することだったので、ディスレクシアとも関係が深く、その流れでハイパーレクシアのことも知っていました。

ハイパーレクシアとASDとの関係が深いことも。

でも、何も知らない夫は、1歳や2歳で文字を読めてしまう長男のことを天才だと思っていたようです。

 

かといって私も存在くらいしか知らなかったので、ハイパーレクシアについて詳しく調べたかったのですが…、

ネットで調べても、図書館の蔵書検索でも、何も書籍が出てきませんでした。

日本語の文献が無いのか、そもそも古い概念なのか、、それすらもわかりません。

 

なので、ここではウィキペディアを引用させてもらいます。

ハイパーレクシア(過読症、Hyperlexia)とは、ディスレクシア(読字障害、dyslexia)と対照的な広汎性発達障害(PDD)で、読み書きの能力が一般の子供より突出しており、低年齢で文字や数字や記号を覚える。

※広汎性発達障害というのは、現在の診断基準(DSM-5)でいう自閉スペクトラム症(ASD)にあてはまります。

このことを踏まえて、長男の昔のことを振り返ってみようと思います。

 

1歳後半

私が着ているTシャツのロゴ(アルファベット)を声に出して読み始める。

「ティー(T)!」「エス(S)!」「ピー(P)!」等とよく声に出していました。

私や夫が「そうだね」と頷いても、何度も何度も読んでいました。

参考(何の?)までに実際のTシャツの写真。

 

駐車場の番号やナンバープレート(地域の漢字含む)を読む。

その場にある数字を全部読み終わらないとその場を動きませんでした。

 

2歳~

読める文字が増えていく。積み木で文字や数字を形作る。

実際に2歳の長男が作った写真が残っています。

ピタゴラスイッチ。

ブラタミリ。(正しくは『ブラタモリ』)

となりのトトロ。

床が汚いので絶対に写真を拡大してはいけません(笑)

 

ひたすらこんな感じの文字を作っては崩し、また作っては…という遊びに熱中。

この遊びは、3歳までずっと好きでしたね。

文字のほかにも、数字を1から100まで順番に作ってみたりもしていました。

数字に関しても3歳台で1000までは数えられるようになっていましたし、繰り上がりも理解していました。

 

また、この頃から絵本の文章も一人で読み始めました。

 

2歳半でひらがな・カタカナ・アルファベットをすべて読めるようになる。

濁音や、『きゃ』・『きゅ』・『きょ』などの拗音も、何も教えていないのに覚えていたのが不思議。

3歳くらいになると、本はつかえることなくスラスラと音読することができました。

 

書くことも得意。3歳前には自分の名前は書けた。

読みと同じく、文字を書くことにも早くから興味を持っていました。

初めて書こうとしていた文字は「あ」だったのが長男らしいと感じます。

うまく書けなかったんですけどね。

それでも、3歳前には自分の名前程度はひらがなで書けるようになっていました。

そして年中あたりからは、漢字や英単語なども馴染みの深いものや鉄道関係なら読み書きするようになっています。

ローマ字も5歳でマスターしました。

 

家にいてもどこかへ出かけても、気になるのは数字。

何か数字の形に似ている物体を見つければ「あ、見て! これは2の数字に似てるね」等と教えてくれたり、

食パンの耳でひらがなの「い」の形を作って喜んでいたり、

「〇から△までは何キロメートルある」「水星の温度は…」「オリンポス山の高さは…」など、普段の会話でも数字にまつわる内容が多く、数字や文字への興味が相当あるんだな…と感じます。

 

でかけた先でも、建物が何階建てだとか、ここに何人いるとか、この道路は制限速度が時速何キロだとか…

数字を常に気にしていますね。

鉄道が好きなのですが、駅名とステーションナンバーはセットで覚えています。

 

かなり前の出来事でも、何月何日に何をしたとか…日付とセットで覚えているし、

友達や先生の誕生日も忘れないので、そこは喜んでもらえますね。

 

数字の情報が、強く記憶に残りやすいのですかね?

 

 

なぜ教えていないのに読み書きできるようになったのか?

私や夫は文字の読み方を教えたことはなく、時々この文字は何かと聞かれたら答える程度です。

また、保育園や幼稚園でも文字の学習などはありませんでした。

 

どこで読み方を覚えたのか心当たりがあるとしたら、

  • 私がテレビをすべて字幕ありで見ていて、子供番組の時もそのままの設定だった。
  • 毎日、絵本を50冊くらい読み聞かせていた。

ということくらいです。

 

私は字幕がないとテレビの音声がうまく聞き取れないので、いつも画面に文字(字幕)は浮かんでいました。

あと、絵本は長男が大好きで、毎週図書館で10冊ほど借りて、それを1日に何度も読んでいました。

プラス家にある絵本も繰り返し読んでいたので、読書量は相当あったと思います。

 

しかし、絵本に書いてある文字などはそれほど多くはないし、そもそも文字への強い興味がなければいくらなんでも読めるようにはならなかったと思います。

文字や数字に対する執着やこだわりと言えるまでの興味が彼にはありました。

 

だから、なぜ読めるようになったかというのは、ハイパーレクシアだから、というのが一番納得がいきます。

文字や数字への興味が強く、形をとらえることも得意だったから、、なのかな?と。

 

ハイパーレクシアの子供は文字や数字に大きな関心を寄せ、言語を解読することは非常に得意であり、そのため非常に幼い年齢で本を読み始める。

出典:ウィキペディア

 

また、これまでに受けた発達検査や言語の検査結果により、同じくウィキペディアの

・ハイパーレクシアの子供の特徴として、平均または平均以上のIQと年齢相応以上の単語解読能力を持つ。

・ハイパーレクシアの子供の中には話し言葉を理解するのが困難な場合もある。

・ハイパーレクシアの子供は早熟な読解能力にかかわらず、コミュニケーションに苦労する場合がある。

という記述にも当てはまっています。

単語はたくさん知っているし喋りは流ちょうなのですが、喋るほどには理解していないのです。

 

・ハイパーレクシアの子供は読解能力の習得は早くても、発話の習得は丸暗記と反復によって行われる。

・文法を具体例や試行錯誤から習得するのが苦手であり、それにより日常生活に支障がでることもある。

・言語習得時には単語や文を反復するなどのオウム返しをするであろう。

・また、多数の語彙を持ち、物や絵を認識できたとしても、それらの言語能力を有効利用できないことが多い。

 

引用が多くて申し訳ないのですが、上記のことがまさに長男には当てはまっていました。

低年齢の時から非常に流ちょうに言葉を話すので、人からは「おしゃべりが上手だね~」などと感心されるのですが、、私は知っています。

それ、あのアニメのセリフの丸暗記だから!!

あの絵本の文章そのままま喋ってるだろう!!

 

これらが「発話の習得は丸暗記と反復」という状態だったのだろうと思います。

何かの丸暗記ではなく、長男が自分の言葉を喋りだしたのは、年少の最後のほう、4歳くらいだったと記憶しています。

このあたりから、長男とのコミュニケーションがとりやすくなり、癇癪も徐々に減っていきました。

・ハイパーレクシアの子供は「誰?」、「何?」、「どこ?」、「なぜ?」、「どうして?」といった質問に答えるのことに苦労することが多い。

・多くの子供が4歳から5歳にかけてコミュニケーション能力は格段に上がるが、ハイパーレクシアの子供とそうでない子供を比べると、ソーシャルスキルの発達で遅れを取り、また子供同士で遊ぶことにあまり興味を示さない。

まさにまさに。5W1Hの質問に答えるのには今でも苦労してますし、

コミュニケーション能力や言語能力は成長しているものの、ソーシャルスキルは2歳年下の弟と比べてもどっこいどっこい、もしくは長男のほうが遅れているかもなぁという感じです。

 

でもこれらの特徴って、ASDの特性と共通している部分が多いように思いますけど、どういう位置づけなんでしょう。

ウィキペディアには

大部分または全てのハイパーレクシアの子供は自閉症スペクトラム障害に含まれると主張する専門家もいるが、一方で、ハイパーレクシアにおける自閉症の関与は完全にハイパーレクシアのタイプによって異なると主張する専門家もいる。

自閉症の子供の5-10% はハイパーレクシアであると推定されている。

と書かれていますが、

web上を探してみてもウィキペディア以外の情報を見つけられなかったのでよくわかりません。

どなたか詳しい方がいらっしゃれば参考になる本など教えていただきたいです。(育児の参考にはならないと思いますが、ただの興味です)

 

最後に、同じくウィキペディアにハイパーレクシアの分類が乗っていたので引用しておきますね。

タイプ1:非常に幼少の頃から文字を読める定型発達の子供。

タイプ2:断片的技能として非常に幼少の頃から文字を読める自閉症スペクトラムに含まれる子供。

タイプ3:非常に幼少の頃から文字を読むことができて、自閉症スペクトラムに含まれないが、自閉症のように見える特徴や行動(それらは成長すれば消える)がある子供。

長男の場合、タイプ1の可能性は限りなく低いと思うので、タイプ2か3でしょうか…。

 

ここまで、長男の幼いころを振り返ってみました。

私にとっては(冒頭に書いたような他の特性が前提にあって、ですが)長男のハイパーレクシアの部分が、彼に何らかの発達障害があるのだろうなと確信するきっかけになりました。

逆に、この特性がなかったら、気づくのはだいぶ遅くなっていただろうな…と思います。

長男の低年齢の時の様子が、もしかしたらお子さんの発達が気になっておられる方の何かの参考になることもあるかと思い、長男の場合についてこの記事を書いてみました。

 

*

 

長男のハイパーレクシアの特性…特殊能力的な感じで見ていてとても面白いし、すごいなと思います。

コミュニケーションやソーシャルスキルに弱さもあるけど、数字や文字に強いことは得意にも繋がりそうですし。

それが興味の偏りになっちゃうと色々大変なこともあるのかもしれませんが、長男の場合は、年齢が上がるにつれて他のことにも興味は広がってきています。

これからも好きなことを伸ばしながら、興味の幅も広げていってくれればいいなと思います。

 

ちなみに親の私は、特に早期から文字を読めたという記憶はありません。

ごくごく平均的か、むしろ遅いほうだったのではないでしょうか。

私はWAIS-Ⅲの群指数のひとつ「知覚統合」(視覚からの情報を処理する力)が130台後半という数値で、その他の郡指数に比べてもかなり高いという結構な視覚優位人間なのですが、長男とはまたタイプが違うのでしょうね。

ただ、意図せずに数字や文字列を記憶していること、気にしていることは多いです。ハイパーレクシアとは関係ないかもしれませんが…。

2 Comments

ねこざかな

こんにちは。いつも楽しんで読ませてもらっています。何度かコメントをしようと思いつつ、なかなか出来ずでしたが、今回のハイパーレクシアに興味があったので失礼します。
家の息子にもハイパーレクシアなるものがあり、幼い時から、文字が読めました。ハイパーレクシアって言葉は、初めて聞きました。でも、その能力があるという事は、自閉症の疑いがあるという事を保育士の知識と経験上知っていたので、身内や友人に天才!賢い!と言われても、イヤイヤ、やばいやつだよ…。と内心思って喜べませんでした。
息子の場合は、言葉が遅く、おしゃべりをする前から、字を読んでいたので、余計にそう感じていました。
2歳過ぎから数字を読みだし、ナンバープレートから離れず苦労した事多々。2歳半になったら、託児所でもらったひらがな表を読みだし、3歳前にアルファベットもYouTubeみながら覚えてました。
長年保育園で色々なお子さんを見てきましたが、(もちろん、自閉症のお子さんもいました。)ハイパーレクシアがあったお子さんには、私が知らなかっただけかもしれませんが、出会わなかったです。
それ位、息子の能力は、特殊なんだろうな…と思ってました。ちなみに我が家では特殊能力と呼んでます。
タイプで言うと、きっとスイ君と同じ2か3です。
でも、スイ君ほど頭が良いわけではないので、せっかく数字に強いのに、それが広がりません。カレンダーや誕生日を覚える程度で、興味の幅が狭いのが今の悩みです。凡人止まりです(笑)。
何かきっかけがあれば、これから色々なものに興味が持てるようになるのかな?
コミニケーションの苦手さもあります。でも、多数の語彙を持ち、とか、文章丸暗記とか、は当てはまりませんでした。
今は自閉症スペクトラムですが、昔は、アルペルガーと言われた分類なんですかね。
この特殊能力がこの子達の生きずらさを少しでも和らげてくれる武器になってくれたら…と思っています。

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mikanzuki

ねこざかなさん、こんにちは。いつも読んでくださってありがとうございます。
ねこざかなさんもこの特性を以前からご存知だったのですね。私も、息子が人から「賢いね」等と言われる度に複雑な気持ちになりました。褒めてもらえるのは嬉しいんだけど、喜んでいいことなのだろうか…と。
ナンバープレートから離れすに苦労…うちもありました。友人宅のトイレにひらがなポスターが単語付きで貼ってあって、それをすべて読み終えるまでトイレから出られない、なんてこともありました^^;
3歳前に数字・ひらがな・アルファベットなど全て読めるようになったのも同じですね~!
でも保育士をされていたねこざかなさんが出会ったことがないという事は、ハイパーレクシアはかなり珍しい存在なのかもしれませんね。

スイは以前の診断基準で自閉症の下位分類にあった、IQが比較的高く言語発達が比較的良好なアスペルガー症候群にあてはまるタイプなのかなと思ってます。
言葉が遅かったのかは実はよくわからなくて…喋るのはよく喋っていたけど、何かのセリフをそのままコピーしてただけなので、話し始めた時から自分の言葉で話していた次男とは違う感じでした。

特殊能力という響きは、なんだかワクワクしますね^^
スイは、宇宙への興味などは割と数字きっかけで興味を持ち始めた気がします。月齢とか、何等星とか、本を見てても数字が多かったり、長いカタカナの星の名前も面白いのかな? 丸暗記しているだけで、意味とか概念はまだあまり理解できてないかもしれませんが、興味を持つきっかけにはなったのかなと感じます。
ねこざかなさんの息子さんも、数字に強いのはきっと武器になると思います。それにyoutubeでアルファベットを覚えちゃうという事は、映像を通して理解したり覚えたりすることも得意なのでしょうね! 得意なことを生かすことが、生き辛さを和らげることに繋がると私も思ってます。

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